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「この世の終わりのような光景」「孤独に苦しみ死んでいく」NYの医療崩壊は現実に
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【ニューヨーク=村山誠】米東部ニューヨーク州で3日、
新型コロナウイルスの感染者が10万人を突破した。
1日1万人単位で感染者が増え、
24時間で500人以上が死亡する危機的な状況だ。「医療崩壊」が現実のものとなりつつある。
■「本当につらい」
ニューヨーク州のクオモ知事は3日、
州内の感染者が前日より約1万人増えて10万2863人になったと発表した。死者は約560人増の2935人。
入院患者は約1500人増え、1万4810人にもなる。
ニューヨーク市クイーンズ地区の総合病院は、約600の病床を約1000床に増やして急増する患者に対応している。
救急救命室の看護師トリシャ・マヨルガさん(31)は「患者が次々と運ばれてきて、救急救命室や集中治療室(ICU)もいっぱい。
ロビーが治療の優先順位を決めるトリアージの場だ」と実情を明かす。
病院では、持病のない40~50代の中年世代、
20代の若者らも次々に命を落としている。感染を防ぐため、家族らは患者と面会できず、
「彼らは一人で苦しみながら孤独に死んでいく。本当につらい。この世の終わりのような光景だ」と語る。
■命の選別
ニューヨーク州では、重篤な患者に不可欠な人工呼吸器の不足が目前に迫る。
州内では、人工呼吸器が必要な患者が毎日350人程度増えており、クオモ知事が2日に明かした「6日分の在庫」が尽きるまでは、あと数日だ。
知事は3日、郊外の病院や民間企業などにある未使用器を回収し、再配備するための行政命令を出すと発表した。
マヨルガさんは「人工呼吸器を使う患者を『選別』しなければならない、厳しい局面になってきている」と話す。
出典:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200405-00050022-yom-int